前書き:
宋龍泉窯、元景徳鎮窯、明清景徳鎮窯には”哥窯戸”、”官釉戸”と呼ばれる哥窯/宋官窯の写しを専門とする窯工房があった。明清の”哥官工房”は官注貿易磁の生産を請け負ったので、官窯として認められる。これらの倣哥窯/倣官窯ものは、習慣上”哥釉”/”官釉”とも呼べれる。明宣徳、明成化、清雍正は倣哥/官が盛行し、品格や外見は宋磁に近い。品質も一番高い。
注:倣官窯の”官”は宋の時代の官窯を指すですが、それは北宋官窯か?または南宋官窯か?言葉上はは違いがないが、要するに、哥窯の金糸鉄線&銅口鉄足、尚且つ油性の強い光沢、この三つ哥窯の特徴が揃ってないものは、概に”官釉”と呼ばれます。或いは、”堆脂”と喩える官窯釉の玉質な半透明感とソフトな光沢のものを指す。その内、主に、南宋官窯を擬似したものが多い。
哥釉 宋 元~明初 明景徳鎮窯 清景徳鎮窯 |
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宋オリジナル (故宮) |
地土造形 鉄分が含む黒土、銅口鉄足現象 宋時代古典造形。角が丸いだが、端正が失わない。やや重厚 表釉 月白、米黄、天青、粉青。油性光沢、宋一代に最強の艶が誇る。 釉層が官窯ほど厚い。釉層に大小不均等な泡が集まる現象が見られる(聚沫攒珠) 磁貫 長い黒色磁貫の間に褐黄色の短い磁貫(鱔魚血)が密集、交織している(百及砕)。金糸鉄線現象、磁貫線が自然に延伸は曲度あり。 磁貫の色は上浅下深。氷裂文磁貫ものもある。 |
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龍泉窯(倣) (中華博物誌) |
地土造形 黒土。鉄足ですが、銅口現象が弱い。器形も一般的民用品ものが多い。 表釉 龍泉青磁の青い色調が強い。艶には魅力がない。釉層に気泡が密集。 磁貫 汚れた黒色の磁貫細砕密布(魚子紋)、少ない金糸たまにある。 地土造形 黄土、雑質ある。繊細な土ではない。 造形上粗厚古拙、混沌にして曲折がない。 |
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元~明初景徳鎮窯 | |||||
(沐英墓発掘品、南京博物館) |
表釉 薄い、雑質ある。浅い灰白色(月白) 艶は暗淡、焼き温度が不足の感じ。 磁貫 紛乱して規則がない。磁貫の色ははっきりしない。 |
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明景徳鎮窯 | |||||
永楽 (故宮) |
地土造形 細白土軽薄 表釉 潔白光沢あり 磁貫 長い磁貫、褐、黄、黒。金糸鉄線現象なし |
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宣徳~空白期 (故宮) |
地土造形 灰黄土、粗松、高台足素地で同年代窯ものと同じ特徴。底足に醤釉塗る場合がある、銅口現象はない。 やや壁厚や軽い歪みがある。造形は古典で端正。 表釉 淡黄、月白。若干渋い油性光沢。釉面に橘皮紋あり、釉層に同年代焼き物の気泡現象あり。 磁貫 多くは一色の磁貫ですが、磁貫が硬直密布。鉄紅色の線が深い、稀に薄い金糸があるものもある。 |
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成化 (故宮) |
地土造形 地土は繊細潔白だが、底足に黒褐釉、醤黄釉を塗る。 底足は油感あるものが多い。稀に素地のものもある。 口縁部に醤釉塗り。 小さい器ばかりで、造形は古典的だが、仕上げは緩い。 表釉 米黄、天青、粉青、月白。表釉が肥厚にして晶体状光沢があり、強い光沢はこの時期の特徴。 磁貫 金糸鉄線。黒色主線に浅い褐黄小線、線の曲度ははやや硬い長短分布は均等ではない。 |
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嘉靖 | 地土造形 白い、疎松な土、造形は宋器より粗大重厚。やや歪みが感じる。 表釉を削り取る、掻き落とし、刻むなど、黒鉄色の胎土を露出して装飾する工法が見られる。 口縁部に黄釉塗りする場合がある。 表釉 黄、灰、淡青。宋器とイメージが近い、写しの水準が高い。光沢面はやや宋器より弱いぐらい。 磁貫 黄色釉:疎松な長い黒色磁貫。 灰色釉:細密な短い黒色磁貫。 |
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萬暦 | 地土造形 白胎、工芸粗相、仕上げ不規則、厚さは均等ではない。造形碩大混円。 口縁に醤、黄釉塗る。 ”玉堂佳器”、”福”、”雅”など落款ものがある。 表釉 表釉肥厚かつ厚薄不均等。呉須染付るものがある。 磁貫 細砕黒色磁貫、またはピンク色の粗松な磁貫。 |
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欧窯 | 地土造形 高台足裏まで釉掛け、 素地が露出しない。造形粗大、不規整。 表釉 天青、粉青、月白、米黄、何れも暗黄気味。釉面光滑、中等程度の油性感がない光沢。 磁貫 明瞭疎松な単線磁貫が硬直に感じる。 |
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清景徳鎮窯 | |||||
康熙 |
地土造形 堅実細白、工芸水準が高い。口縁部底足部色塗らない場合が多い。造形も康熙らしいものが多い。 表釉 落款”中丞”のものは朗窯器 米黄、粉紅色ものが多い。ほか天藍、天青、林檎青、朗窯緑など新調ものが出た。 明亮で適度な光沢。ガラス質の透明感がある。 磁貫 金糸鉄線もの、氷裂もの、単線磁貫などがある。 |
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雍正 (故宮) |
地土造形 宋器に似ている灰鉄色の胎土の使用はこの時期の特徴。銅口鉄足現象ある。 高台足裏など胎土が露出部分は焼成後に油光沢の黒鉄色を呈する。 清の時代特有な造形ものがある。 表釉 粉青を基調とし、ほかの色も基本的の揃ってる。宋磁と極めて近い玉質感のぼんやりとした光沢。 磁貫 金糸鉄線現象。宋器に比べると、磁貫の密集程度はやや下、金糸が少なく鉄線が多い。磁貫の曲折度は宋器より大きい。 |
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乾隆 (故宮) |
雍正ものとは大差がない 地土造形 実用品様式のものも出た。 表釉 釉色は灰白を基調とする、黄、緑などの色も出た。 磁貫 宋磁のような磁貫線が繊細の曲折は見られない。 |
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清中期 | 地土造形 嘉慶以降は製作だんだん粗糙化していきます。土質に雑質あり、松、白、厚。仕上げは丁寧ではない。 口縁部に黄釉塗りものある。 器の足壁が厚く、大きく開く。底足に素土、褐釉塗り、黒漆塗りなどあります。 官窯ものは落款がある。 民窯も写しを乱造して、底部に”成化年製”と刻銘。表釉粉青一色、肥厚明亮、潤い感がない。 波浪釉現象。 磁貫 磁貫はっきりしない。磁貫がないものもある。 |
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光緒 | 民窯ものは基本的に清中期と同調だが、官窯や貿易磁には清早器三代に凌ぐ精良な製品がある。 |